サスティナブルな『食べ物』について

サスティナブルな『食べ物』について

2022-10-21

 「サステナブル」は「持続可能な」という意味で、

「サステナブルフード」は、環境に優しい生産方法で生産された食材のこと。

 例えば、土壌や水質汚染、気候変動など環境に配慮してつくられた食材や、それらを使った食品など。

また、生産過程における労働者の人権や労働環境に配慮した食材、食品もサステナブルフードにあてはまります。

 

フードロスや二酸化炭素排出など、サステナブルフードが注目される背景に着目して、ご紹介していきます。

 

 

サステナブルフードの背景にある、食品業界の問題

 他にも抱えている問題はありますが、

主に上げれれるのはこちらの3つではないでしょうか?

・フードロス
・二酸化炭素排出による地球温暖化
・魚介類の獲りすぎ

 

フードロスとサスティナブルフードの関係性

フードロスとは、先ほど紹介したように「本来食べられるのに捨てられてしまった食品」のことです。

日本で捨てられている食品廃棄物の量は年間2,250万トンです。


その中で、本来食べられるのに捨てられてしまった「食品ロス」の量は612万トンであると農林水産省が発表しています。
日本人一人当たりに換算すると、年間約48kg、毎日お茶碗一杯分のごはんと同じ量を捨てていることになるのです。
食べ物を作り、販売するには多くのエネルギーを消費しています。

例えばハンバーガーひとつをとってみても、野菜や肉を育てるためのエネルギー、それを工場へ運ぶためのエネルギー、工場で加工するためのエネルギー、工場から店舗へ運ぶためのエネルギー…と、多くのエネルギーを必要としているのです。
食べずに捨ててしまうことは、それだけのエネルギーを無駄にしているということになります。
さらに廃棄することにもエネルギーが必要です。日本で廃棄された食品を償却するのに、年間1兆円近い費用がかかっているほどです。

そしてこれらのエネルギー消費は地球環境に大きな負担となるのです。 地球環境へ与える負荷を最小限にして、これからも私たちが食事をしていく、サスティナブルフードの実現には、フードロスを減らしていくことがとても大切なのです。

  

 

サスティナブルフードの実例

①サスティブルシーフード

将来もお魚を食べ続けていくことができるように、水産資源や環境に配慮し適切に管理されたMSC認証を取得した漁業で獲られた水産物、あるいは環境と社会への影響を最小限に抑えたASC認証を取得した養殖場で育てられた水産物を「サスティナブル・シーフード」といいます。

サスティナブルシーフードは大きく「天然」と「養殖」に分けられます。

3つの原則を用いて審査を行っています。

原則1 対象となる水産資源が豊富で、資源管理されている
原則2 生態系に及ぼす影響が最小限に保たれている
原則3 法律や規則などに従って漁業が行われている


②サスティナブルコーヒー

サスティナブルコーヒーとは、オーガニックコーヒー、フェアトレードコーヒー、シェードツリーコーヒーで構成されているものです。

コーヒーは、早くから持続可能性についての活動が進んできた分野のひとつです。生産から加工、流通において、厳しい基準を設けて、その基準をクリアした生産者には認証を与えるという活動を続けてきました。

認証を得るためには、コーヒーの栽培に安価な毒性の高い農薬を使わず、環境負荷を減らし、生産者の健康もしっかりと担保することが求められます。
消費者にとっても、このサステナブルコーヒーを選択して購入する意志を持つことはとても大切な取り組みであるといえます。


③オーガニック食材

環境に優しい食材と聞いて多くの方が思い浮かべるオーガニック食材。
最近カフェやレストランでも頂けるようになってきましたよね。

オーガニックは、科学肥料や農薬を使わずに、自然にあるものだけを利用する農法『有機栽培』で育てられ、国際有機農業運動連盟(IFOAM)が定める4つの原理に則っていることの認証を受けた農作物のこと。

 


④プラントベースドミート

ベジタリアンやヴィーガンにお馴染みの代替肉であるプラントベースドミートもサステナブルな食材だと言われてています。プラントベースドミートは、植物性の食材でお肉そっくりに作られたものです。

他にもクリーンミート(培養肉)やフェイクミート(植物性代替肉)があります。

クリーンミートの主原料は動物の細胞で牛や豚などの筋細胞から培養された肉です。
現在商品化に向け世界中で研究されています。

フェイクミートの主原料は大豆や小麦で植物からタンパク質を抽出し、食肉のような触感を再現して成型された食品を指します。実は高野豆腐やお麩などもフェイクミートとしてよく利用されます。

代表的な例として、大豆ミート(ソイミート)が一般的で、近年の健康ブームの影響もあり、低カロリーで低脂質、満腹感も得られるため、ベジタリアンじゃない人にもファンが増えているんですよ。


⑤サスティナブル昆虫食

 昆虫はその大部分がタンパク質で構成されており、プロテインの代わりにもなると言われています。日本でも、イナゴやハチなどの昆虫を食べる文化は古くから一般的です。

昆虫がサステナブルフードであるといわれる根拠は、以下の通りです。

大量に確保することが容易である
ほぼロスがなく食べられる
生産時のエネルギー消費が少なくエコである
省スペースで飼育可能である
昆虫の飼育は小学校の教室で生徒でも行えるほど容易で、専門的な設備もほとんど必要ありません。餌の量も少量で済み、その繁殖力も抜群です。

条件だけ見ると、非常に効率のいいサステナブルフードと言えます。

あとは、見た目のインパクトをどうするかという問題ですが、こちらは現在、昆虫を粉末状にした「昆虫パウダー」といったものも販売されています。この昆虫パウダーは、加工をすることで麺などに加工ができるため、見た目のインパクトがほとんどないというメリットがあります。

 

 

サスティナブルフードによって解決すること

1、フードロス(食品ロス)
2、飢餓と食糧不足
3、動物食による環境破壊
4、経済の不平等
5、河川や海洋汚染 

 

・フードロス

規格外など商品として販売できない生鮮食品の利用
売れ残りとして廃棄されるはずだった食品の再利用
従来廃棄されてきたような食材(野菜の皮など)の活用

・河川や海洋汚染 

有機農法→土壌汚染を防ぐ
動物食から植物食に転換→家畜による土壌汚染を減らす
プラスチックを使わない→プラスチックゴミ(マイクロプラスチックなど)を減らす 

 サステイナブルフードに取り組むことでSDGsの課題とされている様々な解決への一助となります。
これらの小さな取り組みを積み重ねていくことが重要と言えるでしょう。

 

 

サスティナブルフードを実現するために私たちにできる事 

人間が生きていくために、食料は欠かせないものです。


私たちが今だけでなく将来もおいしく食事をしていくため、サスティナブルフードを実現するためにはどうすればいいのでしょうか?
私たち全員がすぐに始められることは、自分が消費するものの選び方を変え、手に取る商品を変えていくことです。

例えば毎朝飲むコーヒーを、オーガニックやフェアトレードのものにする、魚を食べる時はサスティナブルシーフードを選ぶようにするといった消費行動を変えることで、サスティナブルフードを実現することができます。

消費者がサスティナブルなものを選んで購入するようになれば、企業はサスティナブルであることが売上につながると考えます。そしてサスティナブルであるための取り組みが広まっていくのです。
普段の買い物や食事では、私たちは様々な要因を考慮して商品を選びます。その時、「サスティナブルであるか」を考えて選択すること、それこそが、私たちにできるサスティナブルな社会実現のための第一歩となるのです。

サスティナブルな社会を実現し、美しく豊かな海の生態系を守るために、まずは身の回りにある製品から変えてみることをお勧めいたします。 

 

 

最後のまとめ 

 この記事ではサスティナブルフードについて、詳しく紹介しました。
まとめると、以下のようなことが言えます。

・サスティナブルフードの推進は、フードロスや環境破壊、経済格差の問題など、SDGsの掲げる様々な目標の推進となる

・サスティナブルシーフードやフェアトレードなど様々なサステイナブルフードの認証システムがある

・企業もサスティナブルフードの推進を行っており、消費者は日常的にサステイナブルフードを選べる可能性が広がってきている

サスティナブルフードを取り入れることは、とても地道ではありますが、着実にSDGsに向けた歩みになります。
消費者として私たちもよりよい選択をしてサステイナブルな社会に近づけて参りましょう!