「サスティナブルな生地ってどんな素材が使われているの?」
そのようなご質問にお答えします。
本記事の内容
・サスティナブルな生地とは
・サスティナブルな生地に使われる素材の種類
・サスティナブルな生地の活用例
近年、ファッションの分野などで「サスティナブルな生地」や「サスティナブルな素材」という言葉を目にする機会が増えました。
「環境に良いもの」となんとなく知っている方もいるかもしれませんが、どんな生地や素材がサスティナブルにあたるのか詳しく知らないという方が多いと思います。
そこで本記事では、サスティナブルな生地について使用される素材の種類や生地の活用方法をご紹介します。
服や靴など、身の回りのファッションアイテムにサスティナブルな生地・素材が使われていないか、ぜひ最後まで読んで確認してみてください。
サスティナブルな生地とは
サスティナブルな生地とは「持続可能な生地」という意味をもち、環境への負担が少ない素材から作られた生地をさします。
服や靴、お部屋のインテリアなど身の回りにはさまざまな生地が使用されており、ものによっては環境に悪影響を与えているか、人や環境に優しいものなのか知っておくことが大切です。
たとえば、綿など植物繊維の生地を生産する場合、栽培時に化学肥料を使用すると土壌汚染につながる可能性があります。
また、合成繊維であれば石油を使用するため石油資源の枯渇やCO₂の排出などが懸念されます。
一つの生地を作るだけでも環境へのさまざまな影響があることから、サスティナブルな素材を使用した生地作りが重要視され注目を集めているのです。
サスティナブルな生地に使われる素材の種類
サスティナブルな生地に使われる素材には大きく3つの種類があります。
- リサイクル素材
- 天然素材
- 再生繊維
それぞれについて詳しく見てみましょう。
リサイクル素材
リサイクル素材とは、使わなくなった素材や本来捨ててしまうような素材をリサイクルして新しい素材に作り替えたものをいいます。
たとえば、ペットボトルやプラスチック製品を細かく砕いて溶かし繊維状にすることで、「ポリエステル」や「ナイロン」などに再生が可能です。
ペットボトルを再生したリサイクルポリエステルはさまざまな企業の製品に取り入れられており、従来のポリエステルを使用した生地ともほとんど変わらない使い心地です。
ペットボトル自体の処理の手間が省けけるだけでなく、石油の使用量を減らせたりCO₂の排出量も抑えられます。
天然繊維
天然繊維とは、「オーガニックコットン」「麻」「シルク」など土に還しても土壌汚染の心配がない素材をいいます。
たとえば、オーガニックコットンには厳しい基準が設けられており、認定されるのは農薬や化学肥料を3年以上使用していない農地で栽培している綿花のみです。
また、働いている人の安全や環境を守って作られていることも基準に含まれるため、オーガニックコットン=人と環境に優しいと判断できます。
栽培時・廃棄時に関わらず土壌汚染の心配がなく、赤ちゃんからお年寄りまで人の肌にも優しいので、天然繊維はサスティナブルな素材といえます。
再生繊維
再生繊維とは、原料である植物のセルロース(繊維)を化学薬品で溶かして作られた素材をいいます。
化学繊維に位置づけられますが、原料が植物なので土に還る性質をもっている不思議な素材です。
たとえば、木材の繊維である木材パルプを原料に化学薬品で溶かして紡糸したものは「レーヨン」になり、原料を変えることで「キュプラ」などの繊維も製造できます。
原料が植物で土に還るということからサスティナブルな素材と言われていますが、製造するために木材を伐採したり危険な化学薬品を使用するため、意見が分かれる素材です。
木材の伐採地を考えたり、使用する化学薬品の安全性を考えたりすることが今後の課題となっています。
サスティナブルな生地の活用
サスティナブルな生地は、現在さまざまなところで活用が広がっています。
たとえば、ファッション分野では短い期間で大量生産するファストファッションが主流で、売れ残った分は大量廃棄するということが問題視されていました。
製造から廃棄までが短い期間で繰り返されており、環境にも多大な影響がもたらされています。
リサイクルポリエステルを取り入れることで、製造段階の二酸化炭素の排出を抑えられたり、廃棄時もオーガニックコットンなど土に還る素材であれば焼却の必要がありません。
サスティナブルな生地を取り入れることで環境への負担が減らせるため、服や靴などへの活用が各ブランドで増えています。
また、ファッションの分野だけでなく、インテリアにもリサイクルポリエステルのカーペットや玉ねぎの皮で染色したカーテンなど、サスティナブルな生地を活用した製品が増えており注目を集めています。
まとめ|サスティナブルな生地を身近に取り入れよう
本記事では、サスティナブルな生地について使用される素材の種類や生地の活用方法をご紹介しました。
毎日着用する服や靴、部屋で使用する布製品など、私たちの身近なところにもサスティナブルな生地を使用した製品が増えています。
まずは自分が使っている製品がどんな素材の生地なのか知り、取り入れられるものからサスティナブルな生地・素材に変えていってみてください。